公証役場で認証を受けた後も、そこで手続が終わるとは限りません。
MWO申請で使う私文書では、提出先が外国側の機関になることが多いため、
認証の後にどの証明が必要になるかまで見通しておくことが重要です。
このページでは、私文書を前提に、
公証人押印証明、公印確認、アポスティーユの違いを整理したうえで、
どの順番で見ればよいのかを実務の流れに沿って確認します。
このページの前提
公証役場で受ける認証は、私文書について署名や記名押印が本人のものであることを示す手続です。
ただし、私文書は外務省で直接証明できません。
そのため、外国向け提出で外務省の証明が必要になる場合は、
まず公証役場での認証があり、その後に公証人押印証明が続く構造で見る必要があります。
そのうえで、提出先が求めているものに応じて、
公印確認に進むのか、アポスティーユに進むのかが分かれます。
したがって、認証後の流れは「自動的に全部必要」ではなく、
提出先基準で切り分けて考えることが重要です。
目次
公証後に確認したい基本の流れ
公証役場で認証を受けた後の流れは、
まず「その文書が私文書なのか公文書なのか」を見て、
次に「提出先が何を求めているのか」を確認する順番で整理すると分かりやすくなります。
MWO申請で問題になりやすい Recruitment Agreement や Special Power of Attorney(SPA)は、
基本的に私文書として扱う場面が中心です。
そのため、認証後の流れも、
私文書に対する証明の構造として理解した方が実務に合います。
実務の基本線としては、
公証役場での認証、
公証人押印証明、
そのうえで必要に応じて
公印確認またはアポスティーユ
という順で考えると整理しやすくなります。
私文書は外務省で直接証明できない
認証後の流れを考えるうえで最初に押さえたいのは、
外務省が私文書を直接証明するわけではないという点です。
外務省の証明は、公文書に対する証明が基本線であり、
個人や会社が作成した私文書は、そのままでは外務省の証明対象には入りません。
そのため、私文書を外国向けに提出する場面では、
まず公証役場で公証人の認証を受け、
さらにその認証について法務局長の公証人押印証明を付ける構造になります。
ここを飛ばして、いきなり外務省へ進むという流れにはなりません。
公証役場で行う署名認証の基本は、
公証役場で行う署名認証の基本を整理したページ
で先に確認できます。
このページでは、その後の証明がどうつながるかに絞って見ていきます。
公証人押印証明とは
公証人押印証明とは、
公証役場で認証を受けた私文書について、
その認証を行った公証人の押印が真正であることを、
公証人の所属する法務局長が証明する手続です。
実務上は、この段階を経ることで、
公証人が認証した文書が外務省の証明に進める形になります。
したがって、公証役場で認証を受けた時点で終わりと考えるのではなく、
公証人押印証明が次の接続点になると理解した方が流れがつかみやすくなります。
MWO申請では、外国向け提出の私文書を扱うことが多いため、
公証役場での認証だけで完結する案件なのか、
その後に公証人押印証明まで必要になる案件なのかを切り分けて見ることが重要です。
公印確認とは
公印確認とは、日本の官公署等が発行した公文書について、
その公印や証明が真正であることを外務省が証明する手続です。
私文書でも、公証役場の認証と公証人押印証明を経た後は、
公証人が認証した公文書として公印確認に進むことがあります。
公印確認が問題になるのは、
主として提出先国がハーグ条約の締約国ではない場合や、
領事認証が必要な場合です。
この場合は、外務省の公印確認の後に、
駐日大使館や総領事館の領事認証へ進む流れで理解すると分かりやすくなります。
アポスティーユとは
アポスティーユとは、
ハーグ条約の締約国に提出する公文書について、
外務省が付与する証明です。
一般には、アポスティーユが付くことで、
日本にある大使館・総領事館の領事認証があるものと同等に扱われます。
ただし、ここで注意したいのは、
提出先国が締約国であれば常に領事認証が不要になると決め打ちできないことです。
提出先機関や在日大使館・総領事館の運用によっては、
締約国向けであっても公印確認や領事認証を求められることがあります。
どちらが必要かをどう見分けるか
公証後に必要な証明を見分けるときは、
まず提出先国がハーグ条約の締約国かどうかを確認し、
次にその提出先機関が実際に何を求めているかを見る順番が分かりやすい構造です。
基本的には、締約国向けならアポスティーユ、
非締約国向けなら公印確認と領事認証の流れで考えやすくなります。
ただし、締約国向けでも例外があり得るため、
最終的には提出先や在日大使館・総領事館への確認を前提にした方が安全です。
したがって、実務では
「アポスティーユの国だからそれで終わるはず」
と先に決めるのではなく、
提出先が何を求めているかを確認したうえで逆算する
という見方が重要になります。
ワンストップサービスの見方
一部の公証役場では、
申請者の要請により、
公証人の認証、公証人押印証明、さらに外務省の公印確認またはアポスティーユまでを
一度に取得できるワンストップサービスが案内されています。
このサービスが使える場合は、
法務局や外務省へ個別に出向かずに済むため、
日程の組み立てがかなり楽になります。
ただし、すべての公証役場で同じように扱われるわけではないため、
実際に利用できるかは事前に確認する必要があります。
また、公印確認の後に領事認証が必要な案件では、
ワンストップで終わるわけではなく、
その先の領事認証まで見込んで考える必要があります。
MWO申請での見方
MWO申請でこの論点を見るときは、
まず認証対象の私文書を整理し、
次に公証役場での認証を受け、
その後に提出先国と提出先機関の要求に応じて、
公証人押印証明、公印確認、アポスティーユの要否を見ていく順番が自然です。
つまり、認証後の流れは、
「全部必要か、全部不要か」という話ではなく、
どこまで必要かを提出先基準で切り分ける実務だと理解すると、
手戻りを減らしやすくなります。
公証役場へ持参するもの自体を整理したい場合は、
公証役場へ持参するものを整理したページ
とあわせて読むと、準備段階から認証後までの流れがつながりやすくなります。
まとめ
公証後に何が必要になるかを理解するときに重要なのは、
私文書を外務省が直接証明するわけではないこと、
そして公証役場での認証の後に公証人押印証明が接続することを先に押さえることです。
そのうえで、提出先が求めるものに応じて、
公印確認に進むのか、アポスティーユに進むのかが分かれます。
さらに、非締約国向けや領事認証が必要な案件では、
その先の手続まで見込んで考える必要があります。
MWO申請では、
文書の作成や認証だけでなく、
認証後の流れまで見通して準備することが、
日程のずれや手戻りを減らす基本線になります。
自社案件で認証後の流れまで整理したい方へ
MWO申請では、公証役場で認証を受けるところで終わらず、
その後にどの証明が必要になるかで全体の日程が変わります。
自社案件に当てはめて整理したい場合は、お問い合わせページからご連絡ください。