MWO申請では、公証役場での手続が必要になることがあります。
ただし、ここで問題になるのは、常に「公正証書を作る」という意味ではありません。
実務上まず確認したいのは、私文書に対してどのような署名認証が行われるのか、
そして外国向け提出では何が追加で論点になるのか、という点です。
このページでは、公証役場で行う署名認証のうち、
私署証書認証と外国文認証の基本を整理したうえで、
MWO申請ではそれらをどのように見ればよいのかを確認します。
このページの前提
このページでいう署名認証とは、
個人や会社が作成した私文書について、
署名や記名押印が本人のものであることを公証人が証明する手続を指します。
MWO申請では、Recruitment Agreement や Special Power of Attorney(SPA)のような私文書で、
この論点が問題になりやすくなります。
また、外国向けに提出する文書では、
外国文認証という呼び方が用いられることがあります。
ただし、日本文か外国文かで別の制度があるというより、
外国で使用する私署証書に対する認証として整理した方が分かりやすい場面が多くあります。
公証役場で行う署名認証とは
公証役場での手続というと、広く「公証」と呼ばれがちですが、
MWO申請の実務でまず問題になりやすいのは、
私文書に対する署名認証です。
ここでは、文書の内容そのものを公証人が作成するのではなく、
その私文書にされた署名や記名押印が、
本人のものであることを公証人が証明する手続が中心になります。
したがって、実務上の出発点は、
「公証役場に行くかどうか」という抽象的な話ではなく、
その文書が認証の対象になる私文書なのか、
そして誰の署名をどの形で証明する必要があるのかを整理することです。
私署証書認証とは
私署証書とは、個人や会社が作成した私文書のうち、
作成者の署名、署名押印、または記名押印のある文書を指します。
逆にいえば、署名や記名押印のない私文書は、
私署証書認証の対象としては整理しにくくなります。
私署証書認証では、
その私文書にされた署名や記名押印が本人のものであることを公証人が証明します。
この意味で、認証の中心は文書内容の是非ではなく、
その文書が本人の意思に基づいて作成されたものだと外形的に示すことにあります。
MWO申請でいえば、受入企業と送出機関との提携関係を示す Recruitment Agreement や、
代理人への権限付与を示す Special Power of Attorney(SPA)が、
この文脈で問題になりやすい典型例です。
公証対象書類の整理自体は、
MWO申請で公証が必要な書類を整理したページ
で先に確認できます。
外国文認証とは
外国文認証とは、外国語で作成された私署証書、
または外国語か日本語かを問わず、
外国において使用される私署証書に対する認証として整理されるものです。
このため、英語で作成された文書だけが対象になるわけではなく、
日本語文書でも外国提出用であれば同じ文脈に入ることがあります。
実務上は、外国向け提出の文書について公証人の認証が求められることが多いため、
外国文認証という呼び方が前面に出やすくなります。
ただし、ここで別の制度が立っていると理解するより、
外国で使用する私署証書に対する認証として理解した方が、
私署証書認証との関係が分かりやすくなります。
私署証書認証と外国文認証の違い
読み手が混乱しやすいのは、
私署証書認証と外国文認証がまったく別の手続のように見える点です。
しかし、実務上は、
私署証書に対する認証という基本線は同じであり、
その文書が外国語で作成されているか、
あるいは外国で使用されるかという事情によって、
外国文認証という呼び方で整理される場面があると理解すると分かりやすくなります。
したがって、両者の違いを整理するときは、
「どちらの制度を使うのか」と二者択一で考えるよりも、
その私署証書がどこで使われる文書なのかを先に見る方が実務に合います。
MWO申請でも、フィリピン側提出を前提にする文書では、
この観点から外国文認証として整理されることがあります。
認証後に追加で確認したいこと
外国向け提出では、公証役場での認証だけで話が終わらないことがあります。
私文書について外務省の証明が必要になる場合、
外務省は私文書を直接証明せず、
まず公証役場で公証人の認証を受け、
さらに法務局長による公証人押印証明を前提とする整理を採っています。
そのため、認証後には、
公証人押印証明まで必要なのか、
さらに公印確認やアポスティーユまで必要なのかを、
提出先が何を求めているかに応じて確認する必要があります。
ここで重要なのは、
これらが常に自動的に必要になるわけではなく、
外国の提出先機関や在日大使館・領事館が求めている場合に限って問題になるという点です。
MWO申請での見方
MWO申請で公証役場の手続が話題になるときは、
まず「その文書は私署証書として認証の対象になるのか」を確認し、
次に「外国提出用の文書として追加の証明が必要か」を見る順番が分かりやすい構造です。
つまり、実務の流れとしては、
最初から公印確認やアポスティーユの話に進むのではなく、
私署証書認証の対象かどうか、
外国文認証として整理される文書かどうか、
そのうえで認証後の追加手続が必要かどうかを段階的に見る方が、
手戻りを減らしやすくなります。
MWO申請実務の全体像から見たい場合は、
MWO申請実務の全体像を整理したページ
とあわせて読むと、このページの位置づけが追いやすくなります。
まとめ
公証役場で行う署名認証を理解するときに重要なのは、
これを漠然と「公証」とだけ捉えないことです。
MWO申請でまず問題になるのは、
私文書に対する私署証書認証であり、
外国向け提出ではその文書が外国文認証として整理されることがあります。
そして、外国向け提出では、
認証だけで終わる場合もあれば、
公証人押印証明や公印確認・アポスティーユまで確認が必要になる場合もあります。
したがって、
どの文書を、どこに提出し、その提出先が何を求めているのかを段階で整理することが、
実務上の基本線になります。
自社案件で認証の要否や順番を整理したい方へ
MWO申請では、公証役場での手続そのものよりも、
どの文書が私署証書認証の対象になり、
外国向け提出としてどこまで追加確認が必要かで流れが変わります。
自社案件に当てはめて整理したい場合は、お問い合わせページからご連絡ください。